白瀬ヴァイオリン教室  

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調弦を練習しよう

ヴァイオリンを始めて、何年も経つのに、調弦ができない人をときどき見かけます。「調弦できない、音程がよく分からない」とおっしゃいますが、できないのではなくて、していないのです。練習を始めなければ、いつまでもできるようにはなりません。
子供でも、4本の弦が弾けるようになれば、調弦はできます。鈴木メソードの教本2巻に入る頃、新しいバイオリン教本も2巻に入る頃から調弦の練習を始めると、ポジションが移動する頃には、それなりに調弦ができるようになります。
幼稚園児でも1年生でも、できる子はいますが、私は小学校2年生を1つの基準に考えていて、4弦が弾けるようになって、2年生になったら、とにかくやらせてみます。2年生は理解力も、指の力も付いてきて、楽器が8分の1か4分の1になっているからです。もっと年齢の高い子や大人は、4弦が弾けるようになったらすぐに、調弦の練習ができるようになります。
 

まずは、アジャスターでの調弦からチャレンジ!

1.2本の開放弦を弾く

4本の弦が弾けるようになったら、2本ずつ開放弦を弾く練習をしましょう。調弦を始める初期段階では2弦を合わせる調弦はしませんが、2本を均等に音を出すのは難しいので、今から時間をかけて練習しておきましょう。

AとD、DとG、AとE、どの2本も、同じ速さで弓を動かして、均等に音が出るように、音をよく聴いて弾きます。始めのうちは、ある程度強い音量で弾く方が、2本鳴っているかどうかが分かりやすいですよ。弓も端から端まで、しっかり使いましょう。
1本の弦を弾くことはできても、2本の弦を同時に同じ音量で弾くのは、とても難しいです。1本で弾くときは、少々弓の角度が変わっても、音は鳴るのですが、2本を弾くときは、同じ角度をずっと維持し続けないと、どちらか片方の音になってしまいます。短い距離でなく、元から先までで、できるまで、練習あるのみ!です。

2.音量を少なくする

フォルテで2本の弦が鳴り続けられるようになったら、今度は音量を落としてみましょう。
初心者がフォルテで弾くときは、たいてい、力を入れて弦を押さえつけています。弦が押さえつけられると、弦が沈んで音程が高くなったり、共鳴しようとする弦の振動を止めることになるので、音程が分かりにくくなります。

でも、どうやって力を抜くか分からないかもしれません。実際には次の方法を試してみてください。
弓を垂直にして持ってみてください。弓の重量が真下に行くので、全く力を入れなくても弓を持つことができますね。次に少し斜めにしてみます。弓の重みが指にかかって重いので、指に力を入れて持たなくてはなりません。
この垂直と、斜めにしたときの力加減が分かったら、
垂直(力がいらない)斜め(力が入る)弦の上に置く(力を抜く)力を入れないでそのまま動かして弾く
をしてみてください。 力を抜くって分かったかな?

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左:垂直にすると、弓は軽い
中:斜めにすると、弓の重さを感じる
上:弓を置くと手の力を抜いても大丈夫・・・ですよね?
力の加減が分かってきたら、弾いている弦の中央部を見てください。弦が振動しているのが見えますか?この感覚が分かったら、音を大きくしても小さくしても、鳴り響く音の出し方が分かってくると思います。

あっ!弓を短く弾いて音を小さくしようとしてはダメですよ。端から端までは、ここでも鉄則です。

3.メトロノームで弓の練習をする

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もう1つ大事なことは、弓の速さを一定にすることです。
簡単なようですが、弾き始めにたくさん使ってしまったり、元の方を使わなかったり、人にはそれぞれクセがあります。
弓の中央にテープやシールで印を付けて、メトロノームを60〜80に合わせて、1弓4拍(=全音符)で弾いてください。このとき3拍目で印を通るようにします。
難しかったら、はじめは1本の弦で、できるようになったら2本で弾きます。自分のクセが見えてくると思いますよ。

ウチのメトロノームのペンタくん。ペンタくんの左足前の弓の印を3拍目で通るように練習しましょう。

4.同じ弦を一緒に弾く

ここは先生と一緒にしてください。独学で勉強している方は、次の5番から取り組んでもいいのですが、ヴァイオリン同士の音は、他の楽器やチューナーの音よりも、合っているかどうか分かりやすいので、他の人と聴き合う時間が持てるといいですね。

はじめにA弦を、先生と一緒に弾きます。
同じ音か、あるいは違っているかどうか、分かるでしょうか。先生の弾く音と同じ音量か、先生より小さく弾きましょう。大きな音で弾いていると、自分の音しか聴こえません。先生の音があって、それに自分の音が同じに聴こえるかどうかを、よく聴きます。4弦とも同じように、1本ずつ弾き合わせてみましょう。まずは「あきらかに違う」ということが分かれば、合格です。
先生にペグやアジャスターを回してもらって、同じ音にしてもらいましょう。2本の弦が、違う音から、同じになるところまでをよく聴いて、その感覚を覚えます。私は、自分の楽器を弾きながら、左手で生徒のアジャスターやペグを動かすことができるのですが、かなりの曲芸状態です。あなたの先生はどうかなぁ(^^ゞ

5.アジャスターを回す

アジャスターを回す練習をしましょう。ここでは調弦を目的としていません。とにかくアジャスターを回すだけです。弓も使いません。
子供の楽器はたいてい4弦ともアジャスターが付いていますので、4つとも左手回します。左手は楽器の下から回します。初めてのときには、左上から回してアジャスターを動かそうとする人がいるのですが、楽器を落としますよ(危ない危ない)。

大人でも初心者は、アジャスターが付いている方が調弦がしやすいので、楽器屋さんに相談してみてください。できればアジャスター付きのテールピースを付けてください。4弦の音程が安定して分かりやすいですし、操作も簡単です。右回りも左回りも出来るまで練習してください。

力が足りないのか動かないときは…困りましたね。原因は2つ考えられるので、チェックしてみてください。

アジャスターが古い、壊れている

アジャスターが古くなって、動きにくいときは、抜けるタイプのネジは、抜いてしまって、そのネジを「クレ556」「ミシン油」などの潤滑剤で拭いて戻します。アジャスター本体に「クレ556」をかけようとかはしないでくださいね。これでも直らないときや、抜けないネジ、壊れているときは、楽器屋さんに相談してください。

 

楽器が、きちんと肩に乗っていないので、左肩や左手に力を使っていて、指先に力が回らない

楽器を胸とあごで挟んでいると、左手を動かすときに楽器が一緒に動いてしまいます。すると楽器を固定するために、左肩や腕に余分な力が入ります。鎖骨にしっかり乗せると左手が楽になります。さらに、ひじを体につけるようにすると、ひじが垂直に楽器の下に入るようになって、アジャスターを上から持つことができるようになります。

写真は後ろから見たところです。左は、楽器が鎖骨に乗っていますが、右は楽器が胸に乗っています。

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6.1本の弦の音を出しながら、アジャスターを回す

いよいよ、調弦の第一歩!1本の弦の音を出しながら、アジャスターを回します。このとき、2や3で練習した、力の入り過ぎない、ひずみのない音を出しましょうね。

左手が楽器のくぼみに入っていると、弾くときに邪魔ですから、体になるべく近づけて、アジャスターを回します。写真の左は、くぼみよりも体に手が来ているので、弓をまっすぐ動かせますが、右は、手が弓の邪魔をしているので、持ち方までおかしくなっています。

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先生に同じ弦を弾いてもらって、自分でアジャスターを回してみましょう。これで音が合っているかどうか分かれば合格ですが、分からないときは、先生に「高く、低く」と言ってもらいましょう。はじめは分からなくても、数ヶ月続けると、合っている音が分かるようになります。あきらめないで続けてください。弾いてもらえる先生がいないときは、6番の方法を試してください。

7.音程が分からないときは、チューナーを使う

どうしても音程が分からないときは、チューナーを使ってみましょう。

まず、先生の弾く音に合わせて、自分なりの「合っている音」を作ります。先生がいないときは、チューナーの音や音叉か、ピアノや調子笛の音に合わせてみます。次に、先生の音やピアノの音が、チューナーのどこに針が来るか確認して、自分の作った「合っている音」をチューナーで確かめます。同じ場所に針が来れば、あなたの耳は合っている(おめでとう!)わけです。高すぎ、低すぎ、が分かれば、次は、少し低め、少し高め、を取ればいいのですね。

チューナーを使ってみると「チューナーって便利、目で見て分かるから、これで調弦すればいいや」と思うかもしれません。でも、チューナーは平均律で合わせるのですが、ヴァイオリンはそうではないのです(詳しくは別記)。目で見て合わせていると、音程を聴く耳は、いつまで経っても成長しません。ですから、1本ずつチューナーで合わせる方法は、お勧めできないのです。

8.2本の弦を弾きながら、アジャスターを回す

本格的調弦です。2本の弦を弾きながら、アジャスターを回します。

2番の「力を抜いて、均等に音を出す」ことを思い出してください。ここで右手に力を入れると、音程が分からなくなります。音程を確認するときは、音程を1回下げて(アジャスターを時計と反対回り)から、上げて(時計回り)いきます。分からなくなったら、また下げて、上げていきます。アジャスターのときは、どちらに回しても、たいした影響はありませんが、ペグで調弦するときは、いきなり音程を上げると、弦が切れることもあります。とても大切なことなので、習慣にしてください。

さて、このとき、なかなか上手くいかないとしたら、その理由を考えてみましょう。

 

2本の弦を均等に弾いていない、弓がまっすぐ動いていない

まず、2番の均等に音を出す練習を思い出して、練習してください。アジャスターを動かすと弓の角度が動いてしまう場合は、肩とあごで楽器をしっかり支えられていないからです。また、左手が弓の動きを邪魔していることがあります。左手はなるべく体にくっつけてくださいね。

 

左手のアジャスターを回す指の力に、右手が連動して、力が入ってしまう

両手の動きが連動してしまう人もいます。その場合は、右手で音を出す方を優先して、音程をよく聴いてから、左手を動かしてアジャスターを回し、音を合わせましょう。全部一緒にしようとしなくてもいいのです。そのうちに慣れてきますから、ご心配なく。

 

弓の動かし方が音の響きを止めていて、音程が分かりにくい

弓のスピードが一定でないと、弦の振動が止まって音程が分からなくなります。音程が合ったと思った瞬間に、弾くのをやめる人も多いのです。これだと音がよく分かりません。共鳴し合って、音程が合っているかどうかが分かるので、音程が合っているかな?と思ったときから、しばらくは音を出し続けないと、音程は分かりませんよ。

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アジャスターでの調弦の次は、いよいよペグの調弦に挑戦しましょう。

先生や大人の方へ

アジャスターでの調弦に十分慣れたら、ペグでの調弦に挑戦しますが、分数楽器の間は、ずっとアジャスターで調弦したほうがいいでしょう。なぜなら、分数楽器のペグは、少し動かしただけで大きく音程が変わり、弦を切ることもありますし、量産品の楽器は、ペグがプラスチックでできているので、動かすことはできても、留めることは難しいのです。子供は、そんなところにストレスを感じて、調弦がイヤになるくらいだったら、 ずっとアジャスターで調弦したほうがいいです。

もう1つ、アジャスターだけで調弦するときに気をつけてほしいことがあります。

弦が古くなっていませんか。アジャスターのネジは、ちょうど良い位置にあるでしょうか。

前にこんなことがありました。ある発表会で調弦のお手伝いをしました。分数楽器の音が、全体に低く、アジャスターも下まで押し込まれていて、それ以上音程をあげることができないのです。そこで、ペグで調弦しようとしたら、どうしても回りません。なんと弦が錆びきっているのです。ふだん、アジャスターだけを動かして、あるいはほとんど動かさないで、現状に満足して練習していたのでしょう。指導の先生に許可を得て、ホールの方にペンチを借りて、ペグを動かし緩めましたが、音程を高くすると弦が切れました。急遽、弦を張り替えて、舞台では無事に弾けましたが、その状況を見ている子供も、きっとドキドキしたでしょう。かわいそうでした。最近は、分数楽器もナイロン弦を使うことも多く、切れたり、明らかに劣化したりするので、さびることは少なくなりました。それでも、始めに付いているスチール弦をそのまま使うこともあります。

先生は、レッスンのたびに、子供が家で調弦しやすいように、アジャスターのネジをちょうど良い位置に調整してください。弦が劣化していないかどうか、駒が垂直に立っているか、左右どちらかにずれていないかどうか、など、楽器のチェックを必ずしてください。

  ペグの調弦へGO!

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