白瀬ヴァイオリン教室  

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「きらきら星」の前にできること

3、4歳になると「そろそろヴァイオリンをさせたい」と考えて、ヴァイオリンの先生の門を叩きます。
先生はちょっと早いと思いつつも、せっかくヴァイオリンをする気になっているのだから…と、きらきら星変奏曲「タカタカタッタ」をさせてみようかなぁ、と教え始めますね。

でも、3歳は、楽器を持って弓を持って「タカタカタッタ」と弾くだけで、何ヶ月もかかってしまうことも多いでしょう。確かにヴァイオリンを習いに来たのだけど、これだと本人も飽きてしまうし、親御さんも「いつになったら、弾けるようになるのかしら」「ウチの子は、才能無いのかも」と考えてしまいます。もちろん3歳でも、さっさと進める子もいるのですが、これは才能の問題ではなく、早熟だからなのです。

きらきら星変奏曲は、鈴木メソードの、とても良い教材です。難しい左手指の動きよりも、右手のリズム運動を先に進めていき、右手の技術を身に付けつつ、左手をそろそろと動かしていく…これは理にかなっていると思います。でも、これでも早すぎる場合には、他の方法を考えていかなければなりません。

ヴァイオリンの先生も、保護者の方も、ヴァイオリンを弾くことや、ヴァイオリンの曲に拘らず歌って遊ぶ」「楽器で遊ぶことを考えてみて欲しいのです。

1.歌おう

−音楽の基本は歌です−

新しい歌を知る、という点では「家でCDをずっとかけています」もいいかもしれません。でも「家では、お母さんがいつも歌っています」という方が、ずっと効果的です。上手下手は関係ありません。お母さんが楽しんでいるということの方が大事です。お母さんが歌うから子供も歌います。子供はお母さんの真似をしようとしますから、家で誰も歌わなければ、子供も歌うはずがないのです。新しい歌を覚えたら、まずお母さんが歌ってみましょうね。

2.楽器を演奏する姿を見せよう

「ウチは誰も楽器が演奏できないから、無理だわ」
「子連れで演奏会なんて行けないでしょう」

…いえいえ心配ありません。

ゆうがたクインテット」って知っていますか?「♪You gotta Quintet」と、お人形さんが楽器を演奏して、歌ったり踊ったりしているNHKの番組です。これって子供は大好きなんですよ。音楽番組として、宮川彬良さんのアレンジが素晴らしいし、お人形さんの楽器演奏もとてもリアルです。すごいなぁといつも感心します。生後6ヶ月で、これを食い入るように見ている子を知っています。これはDVDも売っているので、見せようと思ったらいつでもOKです。

もちろん、お家の方が演奏するところに、子供が転がっているというのが理想です。ウチも、知り合いの音楽家の家も、皆こんな感じです(友人の坊やは、這い這いしながら、チェロを舐めていたそうですし我が家の娘は、後ろ向きにおんぶしながら私がピアノを弾いていたら、背付きのイスの背の部分を全部かじってしまいました)。

このとき演奏しているものがピアノとかヴァイオリンとかフルートとか…想像していらっしゃるとしたら、そんな必要は全くありません。リコーダーでもギターでも、オカリナでも太鼓でも、ハーモニカでもウクレレでも、鍵盤ハーモニカでも何でもいいのです。楽しく演奏していればいいのですから。

最近は子連れで行かれる音楽会(子供が主役の)もたくさんあるので、たまには出かけてみましょうね。

3.楽器を持たせよう

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楽器と言っても難しく考えることはありません。
赤ちゃんのガラガラ、カランコロンと鳴る起き上がりこぼしも楽器です。旅先で買ってきた鈴やベル、よさこいの鳴子なども立派な楽器になります。危なくなくて、きれいな音のするものを選びましょう。
面白いのは値段と音色は比例しないことです。そこら辺を試してみるのも、楽しい楽器選びです。

kapla

積み木も、音が楽しめます。
積み木同士を打ちつける音、積み木が崩れる時の音…私が気に入っているカプラ(KAPLA)という積み木があるのですが、これが崩れるときの音がたまりません。高く高く、自分たちが中に入れるくらいに積み上げて、これを崩すことに醍醐味があるので、家庭向きではありません(家庭で遊べるサイズ(数)も売ってはいるのですが…)が、もしカプラを積み上げる機会(カプラが体験できる会があります)があったら、その音をぜひ楽しんでください。

どの楽器やオモチャでも、子供が音を出すときガチャガチャうるさくても、大人が音を出すときは、最大限にいい音が鳴るように心がけてください

4.音楽と一緒に体を動かそう

−「楽器を演奏する」ことは、体を使うことです−

体のコントロールが上手くいかないまま、楽器を演奏するのは難しいです。

まず「歩く」「走る」「手を叩く」「踊る」といった、体を大きく使う動きを意識して取り入れていきましょう。
お座りできる頃になると、テレビを観ながら体を揺すったり頭を振ったりしますね。その延長で、テレビを観ながら真似して歌って踊る、音に合わせて歩く、走る、手を叩く、歌いながら手拍子をする…など、家族で楽しめる方法を探してみましょう。

これは、ヴァイオリンの先生にもぜひ取り入れてほしい指導です
音に興奮してテンポに関係なく手を叩いたり、足を踏み鳴らしたりすることと、リズムや速さ、強弱や表情を感じて表現することは、全く違います。楽器の演奏の仕方を教えるのも大事ですが、小さい子供の場合は、楽器の演奏に拘ることなく、音楽を感じて表現できるように働きかけていくことが、音楽教師の仕事です。同じ速さで歩く、手を叩く、音楽の表情に合わせて動くなど、リトミックを取り入れると、気分が変わって、レッスンも楽しくなりますし、子供の動きを見ていると、何が必要かも見えてきますよ。

体の小さい部分も動かしてみましょう。
ヴァイオリンもピアノも手を使うので、手遊び指遊びはお勧めです。「げんこつ山のタヌキさん」「ひげじいさん」「グーチョキパー」は小さい子でもできますね。レベルに合わせて幼稚園いっぱいは楽しめるのが指遊び!ぜひ先生のところでもお家でも、たくさん手を動かしてください。

−お勧めの手遊び・指遊びー

げんこつ山のタヌキさん、ひげじいさん、グーチョキパーで何作ろう、1と5でたこ焼き食べて、お父さん指さんこんにちは、キャベツの中から青虫出たよ、こっちから赤ちゃんやってきて、子供と子供がケンカして、右手出して1本、1匹の野ネズミが…

『げんこつ山』と『ひげじいさん』以外は、どの指かを意識して使うものばかりです。遊びとしての指遊び、というよりも、もう少し掘り下げて、しっかり指を出せるように、動かせるように、働きかけてください。始めは難しくても、年齢が来ればできるようになります。

 

5.手を使おう

前の手遊び指遊びも平行しながら、絵も描いてみましょう

楽器の演奏に関係ないように見えますが、絵を描くという動作は、手の使い方が楽器ととても共通しています。とりあえずクレヨンを持ってゴシゴシ塗ることを目指してください。まずここが第一段階です。よく見ていると、力を入れてゴシゴシ塗るのは、子供にはかなり難しいですが、クレヨンに慣れてくると、自然と力も入るようになりますし、ゴシゴシ塗った成果が目に見えるので、達成感もあります。もちろん「自分の絵」になればもっと良いのですが、塗り絵でも良いと思います。

−体や手を使うことを、意識して働きかけましょう−

スプーンやフォークが使えますか?お箸も使えますか?

塗り絵ができますか?シールを剥がして貼ることができますか?セロテープを使いたい分だけ、ちぎって取り、貼ることができますか?はさみで紙を切れますか?折り紙を半分に折れますか?角を合わせられますか?

指を一本ずつ動かすことができますか?チョキができますか?

洋服の着脱はできますか?シャツをズボンの中に入れられますか?ハンカチを四角くたためますか?服をたためますか?

ボタンやスナップを留められますか?ファスナーを上げられますか?ヒモは結べますか?

今、全部出来なくても大丈夫ですが、これらが出来るように、日常生活で心がけてくださいね。出来ないから、時間がかかるから、と全部手伝っていると、いつまでも出来るようにはなりません。ボタンを留めるときは、ボタンがちょこっと出るまで手伝ってあげる、シャツをズボンに入れるときは、ズボンを持っていてあげる…という、ちょっとしたお手伝いがあると、自分で出来た気持ちになり、自信を持って、次の段階に進めるのです。

 

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・・・さて、そろそろ楽器に向かってもいい頃になってきましたよ

次はヴァイオリンの先生の登場です・・・

・・・それにヴァイオリンを用意してもいいですね・・・

 とは言っても、1から5までの働きかけを、お家でも先生のところでも、ぜひ続けてください。ここの部分が、幼児の音楽教育にとても大切だと、私は思っています。

分数ヴァイオリンの探し方、選び方は、こちらから

 

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6.楽器で遊ぼう

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始めはカスタネットスズのように、小さくて簡単に音が出るもの、手で直接叩いたり動かしたりして音が出るものがいいと思います。

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写真の左は太鼓、右は周りのシャラシャラが付いていないタンブリンです。太鼓は棒を使って叩きますが、シャラシャラ無しタンブリンは、裏に持ち手が付いていて、直接手で叩いて音を出します。子供には太鼓よりもタンブリンの方が、ずっと操作が簡単です(「シャラシャラ無し」が、なかなか売っていないのが残念ですが・・・)

3つ叩くのがお勧めです。
たとえば「お花がわらった」「ふしぎなポケット」のように、フレーズの最後に3つ叩ける曲を選びましょう(「わーらった」で3つ叩く、「ひとつ、ふたつ」で3つ叩く)。また「みんなでみっつ(福尾野歩作詞、才谷梅太郎作曲)のように、3つ叩かせるために出来ている歌もありますよ。3つができるようになったら、5つ7つと奇数で増やしていくと、叩きやすいですよ。

数に関係なく、ずっと同じ速さで叩き続けることにも取り組みましょう。
たとえば4分音符の速さで叩くなら「むすんでひらいて」「ミッキーマウスマーチ」、2分音符の速さで叩くなら「ちょうちょ」、8分音符の速さなら「トンボのめがね」「どんぐりころころ」…速さに合った曲を選んだり、または即興で弾いたりしながら、曲が終わるまで、同じ速さで叩き続けます。これは、小さい子には難しいですが、一緒に叩いてくれる人がいると、できるようになりますから、歌を歌いながら手を叩いたり楽器を叩いたりしてみましょう。合いの手も、叩きやすいリズムですね。「幸せなら手を叩こう」など、歌って叩いて、歌って踊って、楽しみましょう。

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音程がある楽器も面白いです。スライドホイッスルを演奏するのは大きな子向きですが、先生が演奏するスライドホイッスルに合わせて動くことは、小さな子でもできます。音の高低に合わせて、なかなか面白い動きをしてくれますよ。

7.ピアノを使って遊ぼう

レッスン室にはピアノがあります(たいてい…)。調弦するだけ、伴奏するだけ、じゃなくて大いに活用しましょう。ピアノも、簡単に音が出せる楽器で、さらに音程もありますね。これを遊びに使わない手はありません。

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今のところは、リズム楽器としてのピアノなので、鍵盤に印を付けて「ここを3回押してね」と指定します。
印は、マスキングテープがきれいに剥がせて便利です。最近は可愛いものがたくさん出ていますよ。
たとえばドを赤、ソを青とかにして、好きなほうを好きなだけ、でもリズムに乗って押す、というのが簡単です。

知っている曲を使う

ハ長調で弾く場合は、ソの音をずっと弾くか、ドとソを行き来すると破綻が無いです。
たとえばバイエル教則本の曲を思い浮かべてください。左手はソ〜ソ〜と、同じ音を弾いていますね。このようなTだけ、またはTとXだけで進行する曲を選ぶと、簡単に楽しめます。「ちょうちょ」や「ボートこぎの歌(row row row your boat)」「1匹の野ねずみが(Three blind mice)」など、それにもちろん、バイエルの曲も使えます。

子供のドに合わせる

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ヤマハ出版の「きれいにうたいましょう ソルフェージュ入門」の1番の曲を見てください(この本は、ソルフェージュはもちろん、同じことをピアノで弾かせたり、転調させてヴァイオリンで弾かせたりできるので、1冊あると、とても使いでがあって便利ですよ。お勧めです)。
これは、子供がドを7回歌うのですが、そのドに合わせて伴奏が美しく寄り添います(ヤマハらしいアレンジです)。ドを3回5回弾いてもいいし、もちろんリズムを変えてもいいのです。弾く音を変えれば、寄り添う先生のピアノが転調すればいいので、とても使い勝手がいいアレンジです。1番だけでなく、他の曲も、最大ドからソまでで成り立っているので、いろいろな場面で使えます。

リズムは言葉に置き換える

リズムは、言葉に置き換えると覚えやすいし、メロディが入った場合にも、メロディに引きずられにくく、練習しやすいです。
たとえば「タンタタ」というリズムは「ローソク」に、「タタタン」は「パトカー」に、「タタンタ」は「ひこーき」に…などです。ただし、ピアノでリズムを刻むときは、それほど細かいことは出来ません。ヴァイオリンだと、それこそ「タカタカタッタ」が弾きやすいのですが、ピアノでは、速く連打できないので、ゆったりと弾けるリズムを考えましょう。

  

8.ヴァイオリンでも遊ぼう

ここまで来ると、ヴァイオリンの先生は、何をすべきか分かってくると思います。ピアノと同じことを、ヴァイオリンでもすればいいのですね。
ただし、ヴァイオリンはピアノほど簡単に音が出ないので、まず、ヴァイオリンと弓を持つ練習をしましょう(上記の練習を重ねている間にできますね)。まだ、楽器保持の練習途中でも、手伝ってあげれば音は出ますから、向かい合って弓と楽器を持ち、一緒に弾いてみましょう。

楽器が持てるようになったら

ヤマハのソルフェージュの本を参考に、子供が開放弦を弾くのにピアノを入れてあげると、すごくゴージャスな感じになります。これも同じ音を弾く数を決めて弾いたり、リズムを変えて弾いてみたりします。
バイエル教則本も、ヴァイオリンは同じ音を弾き続け、ピアノはメロディを弾くことで合わせられるので、これも転調してピアノと合わせると楽しいです。ただしこの場合、メロディがあるので、それを聴いてしまうと、同じ速さで弾けるとは限りませんが、「とにかく弾いて楽しむ」という点では、少々グチャグチャになっても、それでもいいのではないか、と思います(子供の理解度や年齢にもよります)。

子供によって、弦を行き来するのが得意な子と、左指を押さえるのが得意な子がいます。どちらが得意か見極めて、次に移りましょう。

2本の弦が弾けるようだったら

ボートこぎの歌」のようなTとXの伴奏で成り立つ曲に合わせながら、どちらでも好きな弦を弾きます。1本だけ弾き続けるのでも、子供の意思で2本を行き来してもOKです。
また「ふしぎなポケット」の「ひとつ、ふたつ」というところに、「幸せなら手を叩こう」の合いの手の部分にも、2本の開放弦を入れると、5度で曲が成り立つので使えます。

左指が押さえられるようだったら

長2度の2音を行き来する曲を弾きます
たとえば「山の音楽家」の「(キュキュ)キュッキュッキュ」の部分だけ弾くと2音(例:ラとシ)だけで弾けます。
指が2つ押さえられるようだったら、たとえば「山の音楽家」をイ長調で弾くとしたら「ララシシド、ドドシシラ、ララシシド、ドドシシラ」と始めの部分も入れられますね(この場合は、その後がドドド、シシシになります)。
それにソルフェージュの本にも、2つ3つの音で成り立つ曲があるので、それを転調しても使えます。3本の指が押さえられるようになったら、カエルの歌の始めの部分が弾けます。次のフレーズを休んで(ピアノに任せて)、その次からまた入ってくればいいわけです。

 

曲を全部弾こうとしなければ、1本2本の指の動きでも、十分に曲として楽しめます。

 

・・・さて、ここまで来ると「きらきら星変奏曲」は目前ですよ・・・

 

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ここまで来るのに、子供によっては1年間とか、とても時間がかかることもあります。それでも、楽しく遊んでいるうちに、いつの間にかヴァイオリンが弾けるようになってくる、ということを、いつも念頭においてレッスンしていけば、子供自身の成長も追いついてくるようになります。

このほかに、カードを使った楽譜の勉強(大人が思っている以上に、おチビさんたちには受け入れて、楽しんでもらえます。特にリズムにハマる子は多いですよ)もお勧めです。

これは私の本も参考にしてほしいなぁ…

 

今までの、たくさんのちっちゃな生徒たちの協力の下に、ここに至っています。

みんな!ありがとうね! 

 
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